第12回しまね小中学生新聞コンクール

学校賞

学校賞に小中学校8校

 第12回しまね小中学生新聞コンクールは「『伝えたい!』を見つけよう」をテーマに行いました。日常生活や学校での学習、体験の中で見つけた「伝えたいこと」を文章やイラスト、写真などで表現した手作り新聞が、小学校115校、中学校32校から合わせて5711点寄せられました。優秀な成績を収めた学校に贈る「学校賞」は小学校2校、中学校6校に決定。受賞校の声と、4年連続で受賞した江津市立桜江小学校の取り組みを紹介します。

小学5年生の部・優良賞の早弓岳快君(手前右)らコンクールで入賞した桜江小学校の児童たち。学校賞も受賞し、笑顔が広がる=江津市桜江町川戸、桜江小


ふるさとの宝 守りたい 江津・桜江小 4年連続受賞


 4年連続で学校賞を受けた桜江小学校(江津市桜江町川戸)は、江の川近くにあり、全校児童は88人です。2、4、6年生は、授業や夏休みの課題などで熱心に新聞作りに取り組み、今回の応募は2作品の児童を含め計84点。優良賞1人、入選1人、佳作4人が選ばれました。

 6年生は、自由テーマの夏休みの課題と、修学旅行で訪れた広島や平和への思いを題材に、応募した18人全員が2作品ずつ制作。6年生担任の梅谷真実教諭(36)は「学び、調べた情報を取捨選択し、伝わりやすい文と構成にする力を身に付けるには、新聞作りが最適だと思います」と狙いを話しています。

 佳作に選ばれた6年生の坂根奏裕君(12)は、大好きなJR車両に着目。旧三江線の歴史を調べたり、JR木次線沿線を訪れたりして制作し、「廃線にならないよう利用促進を図る意識が大切だと感じました」と振り返りました。

 取り組みは、児童の考える力を高めることにつながっています。5年生の早弓岳快君(11)は、5年連続の応募で4度目の受賞となる優良賞に選ばれました。3年生の時は最優秀賞に輝いています。

 今回のテーマは、江津市桜江町市山にある学校田での田植えで感じた農地保全の大切さ。地元団体の保存活動に関心を持ちました。人の手が継続的に入らなければ田んぼは荒れてしまい、守るために自分たちの世代も関わりたいと思いを強くしたという内容です。

 早弓君は「新聞を見る人を意識して紙面構成を考えるのが楽しい。毎年、応募を続けたい」と決意を新たにしています。

 子どもたちの身近にある豊かな自然、地域の歴史、人の営みを題材に取り組み、学び伝える力を磨くことができる新聞作り。桜江小学校では、ふるさとに関心や誇りを持つことにつながっているようです。



受賞校の声 ※かっこ内は受賞回数

小学校

大田市立北三瓶小学校(8)

 ふるさと学習などで興味を持ったことについて調べ、新聞にまとめています。地域の自然や文化をより深く知る機会となっています。情報を整理し、紙面の工夫を行うことで、学年が上がるにつれて思考力、表現力が向上していると感じています。(校長・竹下和宏)


江津市立桜江小学校(4)

 生活科や総合的な学習の時間を基盤とし、関心を高めたことを調べ、工夫してまとめました。今後も「自分の力で発信をしていく」良さを味わい、表現していってほしいと願っています。4年連続の学校賞受賞は、何より子どもの励みになります。(校長・南博喜)

中学校

出雲市立第三中学校(5)

 1年生は福祉体験学習の10講座の学びを、2年生は修学旅行での学びを、3年生は4年ぶりに復活した職場体験学習での学びを各自が工夫してまとめました。学年を追うごとに紙面に工夫が見られ、表現力の向上を感じています。(校長・熊谷和夫)

出雲市立向陽中学校(初)

 1年生は松江自主研修、2年生は修学旅行、3年生は職場体験学習をテーマに学習した情報を整理し、表現する力の育成に取り組んできました。今後も新聞作りを通して社会への関心を高め、自分の考えを積極的に発信する力を付けていってほしいと思います。(校長・渡部敏彦)


大田市立大田西中学校(4)

 本年度も出前新聞教室を行い、記事の書き方のポイントや新聞制作の手順など学習したことを生かして、総合的な学習の時間や職場体験学習での学びを新聞にまとめました。今後もこの活動を継続し、言語力や思考力、表現力などを育成していきたいと思います。(校長・伊藤浩二)


津和野町立津和野中学校(4)

 得た情報に対する自分の考えや意見を分かりやすく表現する学習として、毎年全校で取り組んでいます。1年生は地域巡検、2年生は修学旅行、3年生は職場体験のそれぞれの活動をテーマにした紙面作りを行いました。他者の作品の良さを認め合うことも大切にしていきたいと思います。(校長・林衛)


開星中学校(4)

 「社会科」や「探究」の学びから、自分の感性や価値観で「主体的」に考察対象を決めて、多くの人に伝えるために取り組んでいます。足を運んで調査、体験することを通じて得た情報を「読み手へいかに伝わるように表現するか」の作業を通じ、多角的な視点で考えて取り組んだ生徒の姿に成長を感じました。(校長・小山内仁)


島根大付属義務教育学校(6)

 未来創造科を中核として、各教科で探究的な学びに力を入れて取り組んでいます。新聞作りは、各自が探究した成果を発信する手段の一つとしてとても有効な学習活動であり、これからも大切にしていきたいと思います。(校長・大島悟)