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こだわりのマイホーム(2)HOMe No.11住宅情報紙HOMeホーム

山陰中央新報発行の島根・鳥取の住宅情報紙HOMe No.11

こだわりのマイホーム(2)

松江堀川遊覧の景観大切に「健康な家」を追求。

  • 拡大こだわりのマイホーム(2)(1)
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 松江市街地の北部に位置し北山山ろくに接した住宅団地に今年3月、三角形の寄せ棟づくりの家が完成した。敷地面積347.67平方メートル、のべ床面積121.75平方メートルの平屋建て。1人住まいで将来、足腰が弱っても安心なように考慮され、車いすにも対応した家になっている。

 Kさん(60)は松江高専の第1期卒業生。卒業後は都会地で就職。長年、東京のマンション暮らしをしていた。定年を迎え、弟と相談したところ、都会で独身者が入院したら回りは他人だけ、と忠告を受け、弟さんの勧めもあり、松江での土地購入を決めた。

 精密機械の設計を担当していたKさんは、図面を引くのは得意で、自宅の間取り図は自分で書き上げた。とにかく、年老いても1人で自立できる住宅にこだわり、バリアフリーの平屋建てになった。扉も高齢になった時、不便を感じないようすべて引き戸で統一した。トイレや玄関、浴室のほか、廊下など付けられるところはすべて手すりを取り付けてある。

 オール電化住宅で寝室とリビングは床暖房にした。寝室にある3畳の畳ベッドはKさん自身が大きさ、高さを決めた特注品。たっぷりとした広さがあり安心して眠れる。寝室横の駐車場は高さを寝室に合わせてあり、車いすを使うようになった場合でも簡単に車から出入りできるように考慮した。

 リビングダイニングは天井を造らず、屋根裏が直接見え、開放感にあふれている。桁(けた)や梁(はり)がよいアクセントになっている。隣の和室8畳と仕切る建具はすべて収納できるようになっており、続き間にすると大空間が簡単に出来上がる。

 弟さんは1人暮らしならセキュリティーのしっかりしたマンションを勧めたが、戸建てにこだわったのは畑作りへのあこがれ。庭と畑を確保するため、法律の許す限り家の位置を北側に寄せた。

 雨どいから直接タンクに水をためる雨水利用システムで散水用の水を用意。風呂の残り湯も配管したパイプを通り外部の流しで使えるようにしてある。

 約8.75平方メートルの広い空間にトイレと洗面、洗濯をまとめ、車いすでも楽に入れるように考慮。将来、介護を受ける時でも介護する人が苦労しないように配慮している。

 一番のお気に入りは南側に面した屋根付きのウッドデッキ。南に向かって下りの団地から市中心部を望み、遠く松江城が見渡せるロケーションで、夜はコーヒーを飲みながら月見が楽しめる。夏には水郷祭の花火も見えるそうで、今から期待している。「庭木もこれから自分で植え、ゆっくりと完成させます」と楽しそうに話している。

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