生涯を通じた健康で質の高い生活を送るためには、正しい生活習慣を身につけ、日ごろから生活習慣病予防に務めることが大切です。これまでの健康管理は、自分自身で食生活や運動習慣、休養に気を配るなど、個人に対する取り組みが中心でした。しかし、生活習慣病予防の増加・若年化やメンタルヘルスの問題など、個人への対策だけでは解決出来ない課題も多く、企業や地域社会全体で取り組む必要性が高まっています。
 いま、従業員の健康増進を図ることで生産性や企業カチを高める「健康経営」という考え方が全国的に注目を集めています。そこで、山陰中央新報社では、島根県や全国健康保険協会島根支部、県商工会議所連合会などの関係団体と協力し、「健康経営推進で健康長寿日本一へ しまね健康づくりキャンペーン」を展開します。

県内企業の取り組み紹介

従業員の健康を企業の経営資源と捉え、健康増進を図る「健康経営」の考え方が島根県内に広がっています。2016年から全国健康保険協会島根支部が中心となり、島根県・山陰中央新報社とともに健康経営に取り組む企業を増やしていくため、「ヘルス・マネジメント認定制度」を展開しています。
21年11月30日現在で、1286事業所が同制度にエントリー(健康宣言)しており、そのうち159事業所が認定を受けています。
同制度で認定を受けた県内企業の取り組みを紹介します。

株式会社 岩崎建設

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・本社・湖陵支店・出雲営業所ともに分煙を行っている
  • ・健康対策として4半期ごとに会議を開催(安全衛生委員会)
  • ・佐田町産業保健会主催のセミナー・健康経営セミナーに参加
  • ・検診は各事業所等に案内するとともに4半期ごとに安全衛生委員会で周知している
  • ・再検査の場合は医師会に検診結果を提出し、医師からのコメントを付したものを配布、二次検査の結果も提出している
  • ・職場環境委員会は社内で委託済み
  • ・総務部を中心に健康づくりを推進している
  • ・忘年会または新年会・親睦会を毎年実施し、社内でのコミュニケーション向上に努めている
  • ・月に1回、朝会や部会ごとのスタッフ会を実施し、毎週金曜日に工程会議を実施している
  • ・午前と午後に各15分の休憩時間を設けている
  • ・佐田産業保健会での喫煙のマイナス影響の資料を回覧
  • ・メンタルヘルスの相談窓口を安全衛生委員会や全体朝礼(毎月第一月曜日)にて周知している
  • ・保健所の保健師による出前講座を受講し、メンタルヘルス対策をしている

●企業経営者の思い

現在、少子高齢化による若手不足があらゆる業界で問題となり、我々建設業界も同様に経験豊富な現社員は会社にとって重要な存在となっています。
将来の建設人材の確保のために建設業界全体でも「働き方改革」として、残業時間の削減や週休二日制への移行などに努めています。
当社は定年を60歳から65歳に引き上げ、継続雇用も70歳まで引き上げました。社員がより長く健康でいきいきと働ける労働環境の改善や従業員の健康改善、精神的な満足度の向上を促進させる取り組みを行うことで、日頃から社員に指導している「地域に必要とされる人になれるように努力すること」「地域で必要とされる人が集まっているからこそ、地域から必要とされる企業になれる」につながり、より充実したビジネスライフを送ることが出来るようになると思っております。




株式会社 太陽水道工事/株式会社 三原電工

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・健診受診率100%
  • ・再検査の場合は封筒を渡して口頭で促す検診受診者の一覧を作成し再検査の結果まで管理
  • ・40歳以上の従業員は生活習慣予防健診を受診している
  • ・インフルエンザ予防接種を会社負担で実施
  • ・職場環境委員会を設置し、毎月開催される工務会議の場で、健康対策について協議している
  • ・毎朝、ラジオ体操を実施
  • ・敷地内全面禁煙とし、工事現場でも禁煙を徹底
  • ・グループ会社全てに血圧測定器を設置
  • ・午前と午後各15分の休憩時間を設置


●企業経営者の思い

弊社では以前勤務していた社員が大きな病気を患い、市内では手術できず県外で手術入院をして治療していたことがありました。今は健康になり社会復帰をしておりますが、この事をきっかけに社員の健康も家族の健康と同様に常に心配りをし、管理していく事が会社としての責任だと感じ、現在積極的に健康経営に取り組んでおります。
心身共に健康で長生きをしてもらい、毎日を元気で過ごすことが何よりも代えがたい幸せであることは間違いありません。「元気があれば何でもできる!」この言葉の本当の意味を社員と共有し、今後も更に積極的に健康づくり取り組んでまいります。




株式会社 後藤建設

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・健康診断受診率100%
  • ・毎朝のラジオ体操の実施
  • ・健診結果の社内管理と要精検者への受診勧奨及び医師によるサポート体制あり
  • ・勤務時間内に該当者全員が特定保健指導を受けられるよう配慮
  • ・病院受診がしやすいよう時間単位での有給取得制度を整備し、年間5日間の有給休暇計画的付与を実施
  • ・人間ドック費用、インフルエンザ予防接種費用一部負担
  • ・心の健康づくりとして、社内親睦会やレクリエーションを開催
  • ・ストレスチェックの実施
  • ・島根県へ「たばこ対策取組宣言」提出
  • ・コロナワクチン接種日と翌日の有給休暇付与
  • ・感染症対策の為、消毒液・マスクを社員へ配布
  • ・健康、がん健診等に関するポスターの掲示及びリーフレットの配布による意識啓発
  • ・夏期には熱中症対策としてドリンクと塩飴の提供


●企業経営者の思い

建設業界は、いわゆる「3K労働(きつい、汚い、危険)」のイメージが強いこともあって、弊社も人手不足と社員の高齢化が大きな課題でした。そこで「社員の健康増進」に着目し、さまざまな取組を始めました。社員の皆さんが健康で長く働いてもらえる職場をつくることは事業の継続になり、地域を守ることにもつながると考えます。健康経営の取り組みを通して、建設業界の「3K」を「給料がよい、休暇がとれる、希望がもてる」へと変えていきたいと思っています。弊社はこれからも「ふるさとの未来を築く技術集団」として地域に寄り添い、地域と共に持続的に成長する企業を目指します。



●制度概要
(1)本制度は、「健康経営※」の普及・促進を目的として、全国健康保険協会島根支部(以下「協会けんぽ」という)、島根県及び山陰中央新報社の3者共同事業の一環として、また県内の各種経済団体、金融機関等と連携して実施する事業です。
(2)協会けんぽ加入事業所が、従業員の健康づくりへの支援等を継続的かつ積極的に取り組む旨の健康宣言を行い、認定手続きを経て認定事業所となった場合、認定証の交付及び表彰状を贈呈します。
(3)各種優遇制度が活用できます。
※「NPO法人健康経営研究会」の登録商標

主唱/山陰中央新報社、全国健康保険協会島根支部

特別協賛/アクサ生命保険

後援/島根県、島根県健康福祉部、島根県商工労働部、島根県商工会議所連合会、島根県商工会連合会、島根県中小企業団体中央会、島根経済同友会、島根県経営者協会、島根県医師会、島根県社会保険協会、島根県社会保険労務士会、島根労働局

企画・制作/山陰中央新報社ビジネスプロデュース局