生涯を通じた健康で質の高い生活を送るためには、正しい生活習慣を身につけ、日ごろから生活習慣病予防に務めることが大切です。これまでの健康管理は、自分自身で食生活や運動習慣、休養に気を配るなど、個人に対する取り組みが中心でした。しかし、生活習慣病予防の増加・若年化やメンタルヘルスの問題など、個人への対策だけでは解決出来ない課題も多く、企業や地域社会全体で取り組む必要性が高まっています。
 いま、従業員の健康増進を図ることで生産性や企業カチを高める「健康経営」という考え方が全国的に注目を集めています。そこで、山陰中央新報社では、島根県や全国健康保険協会島根支部、県商工会議所連合会などの関係団体と協力し、「健康経営推進で健康長寿日本一へ しまね健康づくりキャンペーン」を展開します。

県内企業の取り組み紹介

従業員の健康を企業の経営資源と捉え、健康増進を図る「健康経営」の考え方が島根県内に広がってきています。平成28年から全国健康保険協会島根支部が中心となり、島根県・山陰中央新報社とともに健康経営に取り組む企業を増やしていくため、「ヘルス・マネジメント認定制度」を展開しています。
令和2年11月29日現在で、1,122事業所が同制度にエントリー(健康宣言)しており、そのうち153事業所が認定を受けています。
同制度で認定を受けた県内企業の取り組みを紹介します。

社会福祉法人 西益田福祉会

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・健診の周知は、全社員にメールで実施。希望枠を総務で調整。健診は、92%の受診率
  • ・健診受診率100%
  • ・地域産業センターの医師に健診結果全員分を確認してもらう
  • ・健康保険委員は委嘱済み
  • ・健康づくりの推進体制は、労働安全衛生委員会を設置
  • ・健康保険委員セミナーへの参加やメンタルヘルスの研修に参加
  • ・コミュニケーションアップ対策として、年度末に各事業所の長が全職員と面談。毎年互助会からの補助で懇親会等を開催
  • ・月初めの職場会議で健康づくりの情報提供、ポスター等の掲示や回覧
  • ・希望者のみでヨガ教室を開催、独自のストレスチェックの実施など
  • ・9月しまね☆健康づくりチャレンジ月間「+1」の活動に挑戦、健康測定機器レンタル(血管年齢測定器)を体験
  • ・健康測定機器として、体重計を事務所に設置、血圧計を要望に応じて看護師が測定
  • ・受動喫煙防止対策として、敷地内は全面禁煙、玄関の掲示板にて禁煙を周知

●企業経営者の思い

職員の健康づくりは、法人経営の責務と認識しており、当法人の経営理念に掲げられている「明るく快適な雰囲気で、信頼と協調心を保持する。」ことを実践していくためには、職員の心身の健康維持増進を図ることが大切と考えております。そのためには、労働安全衛生委員会を中心に疾病予防及び職場環境の更なる改善向上を図る取り組みを積極的に推進し、そのことにより職員の心身の安定が図られ、利用者に対する質の高いサービス提供が行えると確信をしております。
当法人も労働安全衛生委員会を全面的にバックアップし、健康づくりに邁進してまいりたいと思っております。
また、定期健康診断の結果、再検査が必要な職員に対しては、適切な措置を取るべく便宜を図ってまいります。




株式会社 中筋組

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・健診は、原則従業員全員が受診
  • ・健診は、社員全員が受診
  • ・35歳以上は生活習慣病予防健診を利用。事業者健診(人間ドック)利用者は健診データの提供同意済み
  • ・健診の周知は、社内メールで周知。社内ネットワークに健診カレンダーを表示し、受診日前には事前メールを配信
  • ・再検査等が必要な場合は、社内メールにて周知。再検査結果は本人に加え家族へも確認を実施
  • ・メタボ・メタボリスク対象者全員が面談
  • ・インフルエンザの予防接種を全社員に会社負担で実施
  • ・健康対策については、安全衛生委員会を毎月開催
  • ・健康測定器として、各部門に血圧計を設置し利用
  • ・運動として、ラジオ体操を毎朝実施
  • ・健康づくりの取り組みとしては、会社として各種部活動に力を入れている(軟式野球部、剣道部、サッカー部等)
  • ・受動喫煙対策として、密閉された喫煙室を設置し、喫煙室内に禁煙ポスターを掲示
  • ・ワークライフバランスについては、リフレッシュ休暇制度と勤続10年・25年の社員に家族旅行券を贈呈。働き方改革の会社方針を策定
  • ・報告・連絡・相談の体制は、「なんでも相談窓口」を設置し、社員の様々な悩みに対応して問題解決に活用している
  • ・メンタルヘルスの相談窓口は、「なんでも相談窓口」を利用し、社内メールや社内ネットワークで周知
  • ・メンタルヘルス対策として、新入社員にメンタルヘルス研修を実施。全社員にも展開する
  • ・ストレスチェック体制は整備済み。社内メールで実施方法を周知
  • ・コミュニケーションアップ対策として、社員旅行を数年に一度全社員参加で実施。費用は会社負担。夏と冬の親睦会や歓迎会を各部門で実施
  • ・働き方改革セミナー、いい社会づくりセミナー、健康経営セミナー等多くのセミナーに積極的に参加


●企業経営者の思い

会社にとっての財産は「ヒト・モノ・カネ」と言われています。少子高齢化に伴う人手不足の中で、「人」というかけがえのない財産を守りながら社員が希望を持って働く。その根底に「健康」があります。
中筋組は、『誠意と愛情』を持って人を預かり「社員の健康」「働き方改革」に順応して進化を続けていきます。
働きがいと夢のある挑戦の場を社員に与え、地域に貢献していきたいです。








中村ブレイス株式会社

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・健診は、社員全員がヘルスサイエンスセンター島根で受診
  • ・35歳以上は生活習慣病予防健診を利用
  • ・健診の周知は、全社員のスケジュールを割り振り、メールで周知
  • ・再検査等が必要な場合は、総務部担当者が社員に健診結果を手渡す際、対象者には受診を指示。受診の確認や未受診者には受診を指導。健診結果活用の記事をタイムカード置き場に掲示
  • ・健康保険委員は委嘱済み
  • ・健康づくりの推進体制は、総務部が担当し責任者2人を置く。うち1人が第一種衛生管理者
  • ・健康対策については、毎月の月初めの会議で安全衛生に関わる事項の健診・5Sパトロール(整理、整頓、清潔、清掃、しけつ)を協議
  • ・コミュニケーションアップ対策として、社全体での忘年会を開催。費用は全額会社負担
  • ・運動として、ラジオ体操を毎日2回実施。週2回の全体朝礼時に会長考案の健康体操を実施
  • ・報告・連絡・相談の体制は、仕事の悩み等各部署長に随時相談。メールでの相談も実施
  • ・リフレッシュタイムとして、午後3時から15分間実施
  • ・ワークライフバランスについては、社長主導で残業は遅くとも午後7時までと徹底。実際には同6時半には退社。残業しない社風が根付いた。また子供のいる職員は休みやすい社風
  • ・受動喫煙対策として、敷地内禁煙。禁煙成功者に賞金を出すなど社長主導で社内禁煙に取り組む
  • ・たばこ被害の記事や「煙で汚れた肺」の画像をタイムカード置き場に掲示し、禁煙を啓発
  • ・メンタルヘルスの相談窓口は、総務部担当者。メールでの相談もできる。ストレスチェック実施時にメールで周知
  • ・ストレスチェック体制は、総務部担当者が主導し、産業医とも連携して外部委託で実施。専用ツールを利用して個人の携帯電話にメール配信し、実施方法の案内や回答・個人分析結果も確認できるので効率が良い


●企業経営者の思い

弊社は世界遺産石見銀山にある義肢装具製作会社です。
弊社のことを2008年に出版された「日本でいちばん大切にしたい会社」(坂本光司著)の中で取り上げていただいています。坂本先生が提唱されている本当の「経営」の定義のひとつとして、「社員とその家族を幸せにする」という言葉があります。社員と、その社員を一生懸命支えている家族を幸せにすることが重要であると書かれています。
我々は社員を幸せにする(大切にする)=社員の健康を守るということになると考え、健診の積極的な受診や敷地内全面禁煙などに取り組んでおります。
石見銀山から皆様に元気を与えられるような会社を目指し、社員一同これからも一層健康増進への取り組みを進めていきたいと思います。



●制度概要
(1)本制度は、「健康経営※」の普及・促進を目的として、全国健康保険協会島根支部(以下「協会けんぽ」という)、島根県及び山陰中央新報社の3者共同事業の一環として、また県内の各種経済団体、金融機関等と連携して実施する事業です。
(2)協会けんぽ加入事業所が、従業員の健康づくりへの支援等を継続的かつ積極的に取り組む旨の健康宣言を行い、認定手続きを経て認定事業所となった場合、認定証の交付及び表彰状を贈呈します。
(3)各種優遇制度が活用できます。
※「NPO法人健康経営研究会」の登録商標

主唱/山陰中央新報社、全国健康保険協会島根支部

特別協賛/アクサ生命保険

後援/島根県、島根県健康福祉部、島根県商工労働部、島根県商工会議所連合会、島根県商工会連合会、島根県中小企業団体中央会、島根経済同友会、島根県経営者協会、島根県医師会、島根県社会保険協会、島根県社会保険労務士会、島根労働局

企画・制作/山陰中央新報社ビジネスプロデュース局