生涯を通じた健康で質の高い生活を送るためには、正しい生活習慣を身につけ、日ごろから生活習慣病予防に務めることが大切です。これまでの健康管理は、自分自身で食生活や運動習慣、休養に気を配るなど、個人に対する取り組みが中心でした。しかし、生活習慣病予防の増加・若年化やメンタルヘルスの問題など、個人への対策だけでは解決出来ない課題も多く、企業や地域社会全体で取り組む必要性が高まっています。
 いま、従業員の健康増進を図ることで生産性や企業カチを高める「健康経営」という考え方が全国的に注目を集めています。そこで、山陰中央新報社では、島根県や全国健康保険協会島根支部、県商工会議所連合会などの関係団体と協力し、「健康経営推進で健康長寿日本一へ しまね健康づくりキャンペーン」を展開します。

県内企業の取り組み紹介

従業員の健康を企業の経営資源と捉え、健康増進を図る「健康経営」の考え方が島根県内に広がってきています。平成28年から全国健康保険協会島根支部が中心となり、島根県・山陰中央新報社とともに健康経営に取り組む企業を増やしていくため、「ヘルス・マネジメント認定制度」を展開しています。
令和2年10月25日現在で、1,118事業所が同制度にエントリー(健康宣言)しており、そのうち152事業所が認定を受けています。
同制度で認定を受けた県内企業の取り組みを紹介します。

株式会社 マツケイ

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・健診の周知は、全社員にメールで実施。希望枠を総務で調整。健診は、92%の受診率
  • ・40歳以上の全員が生活習慣病予防健診を利用
  • ・健診結果をもとに全員が産業医と面談を行う。再検査通知を対象従業員に配布
  • ・健康対策について、衛生委員会を月1回開催して協議を実施
  • ・衛生委員会で毎月メールにて健康づくりの呼びかけ
  • ・衛生委員が禁煙セミナーやメンタルヘルスセミナーに参加
  • ・各部署に衛生委員を1人ずつ配置。メンタルヘルスの相談窓口を行う
  • ・メンタルヘルス対策として、月2回の外部カウンセラーによる面談
  • ・ストレスチェックの実施
  • ・社内運動として、毎朝ラジオ体操を実施
  • ・リフレッシュルームに血圧測定器や体脂肪計を設置
  • ・受動喫煙防止の対策として、建物内禁煙で屋外に喫煙所設置。公用車も全面禁煙
  • ・インフルエンザ予防接種の社内接種および費用補助
  • ・目安箱を設置し、社員から職場改善案を求める
  • ・社員のコミュニケーションを高めるため、ボウリング大会や忘年会、BBQを毎年開催
  • ・報告・連絡・相談は、朝会と夕会を毎日行う
  • ・ノー残業デーは月2回実施。やむ得ない休日出勤時は振替休日を奨励。有休は最低年間6日取得
  • ・時間外の事前申請化。毎月管理職が社員の時間外労働状況をチェック
  • ・時間単位の看護休暇および介護休暇の取得。短時間勤務制度の導入

●企業経営者の思い

マツケイでは日常の会社生活をより良いものにするため、社員から労働環境の改善案を求める「目安箱」を設置し、常に環境の整備・規則の見直し・新たな取り組みを行っています。
また、産業医による健康相談や外部カウンセラーによるメンタルヘルス面談は毎月実施しており、全社員が定期的に受けることで心身の変化に早く気付くことができます。会社としても早期に対応が取れることは大きなメリットになっています。
会社の理念である「安心・安全」なサービスを提供することをモットーに仕事を行うには、「安心・安全」な職場で仕事できる環境を社員に提供することが会社にとっての義務だと考えています。




社会福祉法人 ほのぼの会

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・健診は、原則従業員全員が受診
  • ・35歳以上は生活習慣病予防健診を利用。事業者健診利用者は、データ提供同意済。人間ドック利用者は、データ提供同意書提出を依頼
  • ・健診は個人個人へ受診希望機関、時期を確認し日程調整。健診の周知は、本部事務が調整し、掲示板貼り出しや個人への健診日程通知
  • ・再検査対象者には必ず受診するよう指導。検査結果を産業医に確認の上で勧奨し、その後の受診有無もチェック
  • ・メタボ・メタボリスク対象者で通院者以外は面談し、保健指導を案内
  • ・健康対策については、安全衛生委員会を施設ごとに毎月開催。3か月に1度全施設合同開催。安全衛生計画を作成
  • ・全職員対象のワークライフバランス研修を実施。基本的にはシフト制で定時退社。また、子供の病気等での急な休みに対しフォロー体制あり
  • ・メンタルヘルス対策として、担当者がメンタルヘルスケア研修会参加と、全職員対象のメンタルヘルス研修を毎年実施
  • ・メンタルヘルスの相談窓口は、本部事務局長や担当が相談窓口に。ストレスチェック実施時の文書提示やメールにより周知
  • ・ストレスチェックは、実施体制を整備し、制度の実施規程を作成
  • ・腰痛予防の取り組みとして腰痛ベルトを補助により希望者全員に支給
  • ・全額法人負担による全職員のインフルエンザ予防接種
  • ・運動として、社内ソフトボール大会やボウリング大会を全社員に参加を呼びかけて実施。介護現場では入所者と共にラジオ体操を実施
  • ・コミュニケーションアップ対策として、忘新年会、歓迎会、親睦旅行を実施。職員の過半数が参加の催しに互助会補助
  • ・受動喫煙防止の対策として、利用者含め施設内全面禁煙。また、施設利用者に対して入所時に禁煙を説明し、施設利用条件(規約)として全職員に周知
  • ・健康保険委員は委嘱済み
  • ・健康保険委員セミナーへの参加


●企業経営者の思い

法人にとって、財産である職員一人ひとりが心身ともに健康で、日々元気に過ごせることは何より嬉しいことです。このことがサービス利用者の安心・安全にも繋がると考えています。
また、効率的な働き方を行うには、健康があってこそ実現するものであり、心身ともに健康な職員が多いほど総合力もアップすると考えています。
そのために、健康診断再検査対象者へのフォロー、安全衛生委員による職場巡視・職場環境の確認、環境整備、また、各事業所の職員がお互いにコミュニケーションを取り合えるよう、レクリエーション活動等も行っています。
時代の変化に合わせて職場を存続させるために、健康管理に発生する費用は「コスト」ではなく、「投資」と考えます。
今後も職員が活き活きと健康に働くことが出来るよう、様々なことに取り組みます。




株式会社 佐藤組

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・健診受診率100%(35歳以上は希望者及び2年ごとに必ずドック受診)
  • ・ストレスチェックを年1回実施
  • ・再検査対象者は、文章で周知。その後未受診者へ再度メールで勧奨し、受診後必ず報告する
  • ・健康づくりの取り組みとして、朝のラジオ体操、秋の運動会、冬のボウリング大会を実施
  • ・セクハラ・パワハラ窓口は就業規則に記載し周知
  • ・健康対策については、安全衛生委員会を毎月開催
  • ・超過勤務時間の把握(業務量調査)により人員配置を検討。また、ノー残業の周知
  • ・受動喫煙防止対策として、喫煙室設置
  • ・コミュニケーションアップ対策として、所属事業部長と社員、社長・専務及び統括部部長と社員との面談をそれぞれ年1回実施。夏のパーティーや社員旅行を随時実施
  • ・コロナ感染予防対策として、社員にマスクの配布。事務所に消毒液・抗菌スリッパ設置
  • ・メンタルヘルス対策として、各種研修会開催の周知。メンタルヘルスケア社内研修会開催
  • ・安全衛生大会と救命救急講習を毎年実施
  • ・検診結果に基づき、生活習慣病予防の為、対象者への保健指導を実施


●企業経営者の思い

27年前に作成した会社案内に「我が社の将来」と題した社長挨拶があります。その中に「社員と会社、そして地域社会がともに幸せを分かち合える経営に向け切磋琢磨する」と宣言しています。経営方針にも「人材が将来を託せる会社になる」と揚げています。この理念を継承し、本年で57年目を迎えました。残念ながらこの間に、重い病魔に侵され退職を余儀なくされた方、癌の治療を行いながらの勤務を希望された方、病魔によりお亡くなりになった方、そんな場面に幾度か直面してまいりました。
その都度、幸せとは健康で暮らせることだと痛感いたし、社員が【明るく・元気に】働ける職場を目指しています。
我が社は、県外での工事も多く、出張先では宿舎での共同生活もあり、感染対策を徹底しなければなりません。コロナ禍がどのような終息を迎えるのか未だ見えて来ませんが、今後も健康管理の重点事項の一つに致し、健康管理経営に努めてまいります。



●制度概要
(1)本制度は、「健康経営※」の普及・促進を目的として、全国健康保険協会島根支部(以下「協会けんぽ」という)、島根県及び山陰中央新報社の3者共同事業の一環として、また県内の各種経済団体、金融機関等と連携して実施する事業です。
(2)協会けんぽ加入事業所が、従業員の健康づくりへの支援等を継続的かつ積極的に取り組む旨の健康宣言を行い、認定手続きを経て認定事業所となった場合、認定証の交付及び表彰状を贈呈します。
(3)各種優遇制度が活用できます。
※「NPO法人健康経営研究会」の登録商標

主唱/山陰中央新報社、全国健康保険協会島根支部

特別協賛/アクサ生命保険

後援/島根県、島根県健康福祉部、島根県商工労働部、島根県商工会議所連合会、島根県商工会連合会、島根県中小企業団体中央会、島根経済同友会、島根県経営者協会、島根県医師会、島根県社会保険協会、島根県社会保険労務士会、島根労働局

企画・制作/山陰中央新報社ビジネスプロデュース局