県内企業の取り組み紹介
従業員の健康を企業の経営資源と捉え、健康増進を図る「健康経営」の考え方が島根県内に広がってきています。平成28年から全国健康保険協会島根支部が中心となり、島根県・山陰中央新報社とともに健康経営に取り組む企業を増やしていくため、「ヘルス・マネジメント認定制度」を展開しています。
令和2年3月25日現在で、1094事業所が同制度にエントリー(健康宣言)しており、そのうち132事業所が認定を受けています。
同制度で認定を受けた県内企業の取り組みを紹介します。
東西建設有限会社
●従業員の健康に対する取り組み
- ・従業員の健診受診率100%
- ・40歳以上の従業員全員が生活習慣病予防健診を受診
(産業保健センターを通じて医師の意見聴取及び保健指導受診) - ・従業員全員参加の安全衛生委員会を年2回開催
- ・協会けんぽによる健康づくり出前講座の活用
- ・年4回ボランティア活動後に懇親会を開催
- ・事務所内に加湿器を設置し、入口に感染予防に消毒液を置く
- ・血圧計、体重計及び体脂肪計を事務室に設置
- ・年間108日休日を実践し、原則残業なし
- ・喫煙所の設置、禁煙手当の支給、禁煙対策の取組み状況を各家庭に配布
- ・従業員とのコミュニケーションとして毎年年末に会社で蕎麦打ち実施
●企業経営者の思い
土木工事業を通じて社員が元気に誇りを持って働ける職場づくりを目指すと共に地域に貢献出来る企業でありたいと考えています。
職場では、挨拶で始まりお互いを思いやる気持ちを大切にしています。
健康づくりでは健康保険委員とマンツーマンで接し、社員の健康状態と早期再検査の受診を最優先するよう促し、健康保持・増進に向けた継続的な取り組みをしていきたいと考えています。
サンベ電気株式会社
●従業員の健康に対する取り組み
- ・健康診断受診率100%
- ・原則従業員全員が健診を受診
- ・従業員全員が生活習慣病予防健診を受診
- ・健康保険委員セミナー受講、社会保険委員などの研修会へ参加
- ・毎年夏社員研修で学習とスポーツレクを実施
- ・フットサルチームを結成し、会社で補助
- ・受付横に血圧測定器を設置
- ・5〜7月を「有給取得奨励月間」とし、従業員の有給取得を奨励
- ・建物内禁煙
- ・熱中症対策として、従業員全員に熱中症計と希望者に水冷シャツ貸与
- ・感染症予防として、消毒・うがい液・マスクを設置
- ・希望者(40歳以上)に人間ドッグ受診(費用全額会社負担)
●企業経営者の思い
「企業は人なり」と言われるように、企業の成長・発展には社員の成長なくしてはあり得ません。お客様に心から喜んでいただく仕事をしていくためにも、社員が喜んで働ける職場づくりが大切だと考えます。
なかでも社員の健康は職場環境や働き方に大きく影響されます。社員が元気よく長く働き続ける職場を作ることで、モチベーションを上げ、企業力を高め、共に成長していくことができます。また、健康と運動は切っても切れない関係にあることから、我が社では年に一度全社員が集まりスポーツレクリェーションを実施しています。こうした取組も評価され、スポーツ庁よりスポーツエールカンパニーの認定も受けています。
社員の健康状態に関心を持ち、健康増進の為の支援や促進に向けた取り組みを通して、働きがいのある職場を目指し、地域に貢献していきます。
公益財団法人 しまね自然と環境財団
●従業員の健康に対する取り組み
- ・健診受診率100%
- ・メンタルヘルスケア研修会、治療と職業生活の両立支援セミナー等への参加
- ・毎月衛生委員会を実施
- ・親睦会主催で、新入社員の歓迎会や日帰り旅行等を実施
- ・血圧計、体脂肪計、体重計を設置
- ・出産した女性全員が育児休暇を取得(最低1年間)
- ・建物内禁煙
- ・産業医が毎年職員向けの研修会を実施し、受動喫煙をテーマにしたこともある
- ・メンタルケアスタッフを3人配置
- ・ストレスチェックの実施
- ・インフルエンザ予防接種の実施と接種費用の半額負担
- ・健診結果による再検査者の受診勧奨
- ・熱中症対策として塩飴、クールスプレー等の配布
●企業経営者の思い
来館者に楽しい時間を提供する施設のスタッフだからこそ、一人一人がまず健康であるべきと考え、職員の健康づくりに努めています。
健康診断は季節雇用者も含む全ての職員を受診対象とし、再検査の受診勧奨も行うことで病気の早期発見と早期治療を目指しています。
また、産業医の協力により、ヘルス・マネジメントカルテの結果等も参考に、毎年健康に関するテーマを決めて自己の健康管理や予防の知識を深める事を目的とした健康講習も行っています。
職員にとって魅力ある企業となるよう、時代の変化に応じた働きやすい職場づくりを目指した取り組みを今後も行っていきます。
健康経営とは
健康経営とは、従業員を企業における「資産」と捉え、健康の維持・増進が将来的に企業の収益性を高める積極的な投資であるとの考えのもと、従業員の健康管理を経営的な視点から考え戦略的に取り組むこと。従業員の活力向上や生産性向上等の組織活性化をもたらし、結果的に業績向上などにつながると期待される。
また、国民の生活の質の向上や国民医療費の適正化など、社会課題の解決に貢献するものであると考えられている。
●制度概要
(1)本制度は、「健康経営※」の普及・促進を目的として、全国健康保険協会島根支部(以下「協会けんぽ」という)、島根県及び山陰中央新報社の3者共同事業の一環として、また県内の各種経済団体、金融機関等と連携して実施する事業です。
(2)協会けんぽ加入事業所が、従業員の健康づくりへの支援等を継続的かつ積極的に取り組む旨の健康宣言を行い、認定手続きを経て認定事業所となった場合、認定証の交付及び表彰状を贈呈します。
(3)各種優遇制度が活用できます。
※「NPO法人健康経営研究会」の登録商標