生涯を通じた健康で質の高い生活を送るためには、正しい生活習慣を身につけ、日ごろから生活習慣病予防に務めることが大切です。これまでの健康管理は、自分自身で食生活や運動習慣、休養に気を配るなど、個人に対する取り組みが中心でした。しかし、生活習慣病予防の増加・若年化やメンタルヘルスの問題など、個人への対策だけでは解決出来ない課題も多く、企業や地域社会全体で取り組む必要性が高まっています。
 いま、従業員の健康増進を図ることで生産性や企業カチを高める「健康経営」という考え方が全国的に注目を集めています。そこで、山陰中央新報社では、島根県や全国健康保険協会島根支部、県商工会議所連合会などの関係団体と協力し、「健康経営推進で健康長寿日本一へ しまね健康づくりキャンペーン」を展開します。

健康経営推進企業紹介

従業員の健康を企業の経営資源と捉え、健康推進を図る「健康経営」に取り組む企業が増えている中、「健康経営アドバイザー」(アクサ生命所属)が推薦する、従業員の健康管理や働きやすい社内環境の構築などに積極的な企業を紹介します。

株式会社 トーソク

制服でも健康重視 細身な体型維持を

 今年で創業10周年を迎える測量業のトーソク(神田栄里子社長)は、社員の大半を男性が占める。炎天下での測量作業も多いが、そうした社員たちの健康維持を図るため、女性らしい目線で工夫を重ねながら健康経営の取り組みを進めている。
 「近年、両親を相次いで病気で亡くし、健康の大事さ、家族の大切さを思い知らされた」と話す神田社長。そうした思いから「社員それぞれに健康への意識を深めてほしいし、家族ぐるみで大事な健康管理を進めてもらいたい」と、昨年から本格的に健康経営の取り組みを始めたという。
 毎年春の健康診断は全社員が受診していて、昨年には社屋に隣接して喫煙室を新たに設置し社内分煙を徹底させた。毎月の給料袋には、アクサ生命作製の「健康に関するお知らせ」を同封して社員や家族に健康管理への関心を高めてもらっているほか、社内で健康に関するミニセミナーをケーキ付きで開いたり、講師を招いてメンタルヘルスのセミナーも開いたりした。

 

「社員の健康に家族の協力が欠かせない」(神田社長)の思いから、家族との会話を増やし触れ合いを大切にしてほしいと、クリスマスや母の日には全社員の家族にシクラメンやアジサイの鉢植えを贈るなど細やかな心配りも。
   また、新年度には地元金融機関の協力も得て社の制服を変更する。「格好いい作業服を」という社員の要望を入れ、新しく紺色のデニムにチノパンを採用することにした。細身にすることで体型を気にしてもらえ、肥満予防などの健康管理につなげてもらいたい、という願いもある。
 「私ができるのは和やかな働きやすい環境をつくること」と話す神田社長。健康経営の取り組みを業績向上につなげる狙いで、さまざまなアイデアを上乗せしていく。


健康経営アドバイザーからのコメント

社長みずから率先して取り組まれております。健康経営優良法人認定の取得のサポートをさせていただきます。


株式会社 バイタルリード

家族含め総ぐるみ 健康への意識醸成

 「交通」をキーワードに据えてコンサルタント事業を展開するバイタルリード(森山昌幸社長)は、女性が半数以上を占め、平均年齢39歳という若い世代が多い会社。社員の健康づくりとコミュニケーションの促進などを図りながら、働きやすい社内環境の構築を図っている。
 健康経営の取り組みでは、健康診断の受診率はパートタイマーを含めて100%、社内SNSを通じて随時、健康に関する呼び掛けを行って健康管理の大切さを意識してもらうようにしている。また、社員の昼食の弁当注文を総務がまとめることで若い社員に食への意識を高めるよう促している。社内には感染症予防のマスクや血管年齢測定器、血圧計も設置、運動不足解消の一環として卓球台やバトミントンセットなども置いている。
 同社のユニークな活動としては、部署の垣根を超えて毎月1回開く「仲良しランチ会」(1人当たり500円を社が負担)のほか、社員の家族が参加する「子ども参観日」や野外バーベキュー大会も年1回企画。社員の家族を絡めたコミュニケーションの増進を図っている。こうした幅広い取り組みが評価され、ヘルス・マネジメント認定事業所(平成29年)、健康経営優良法人(同29年〜)の認定を受けている。

 創業以来、総務畑を担当する増原由紀総務部次長は「社員がコミュニケーションをとることで健康で安心して働ける会社、家族に応援してもらえる会社にしていきたい」と話す。また、今年4月からは「1時間単位で取得可能な有休休暇」を制度化する予定。保育園の通園や病院への付き添いなど子育て中の女性陣に要望の強かった内容だ。1時間単位で年間5日までに限定して実施する。働きやすい社内環境の醸成へ新しい取り組みが続いている。


健康経営アドバイザーからのコメント

全社員様のコミュニケーションが良好で全員で健康経営に取り組まれています。継続してよい情報を提供し、サポートさせていただきます。



健康経営とは

 健康経営とは、従業員を企業における「資産」と捉え、健康の維持・増進が将来的に企業の収益性を高める積極的な投資であるとの考えのもと、従業員の健康管理を経営的な視点から考え戦略的に取り組むこと。従業員の活力向上や生産性向上等の組織活性化をもたらし、結果的に業績向上などにつながると期待される。
 また、国民の生活の質の向上や国民医療費の適正化など、社会課題の解決に貢献するものであると考えられている。

●制度概要
(1)本制度は、「健康経営※」の普及・促進を目的として、全国健康保険協会島根支部(以下「協会けんぽ」という)、島根県及び山陰中央新報社の3者共同事業の一環として、また県内の各種経済団体、金融機関等と連携して実施する事業です。
(2)協会けんぽ加入事業所が、従業員の健康づくりへの支援等を継続的かつ積極的に取り組む旨の健康宣言を行い、認定手続きを経て認定事業所となった場合、認定証の交付及び表彰状を贈呈します。
(3)各種優遇制度が活用できます。
※「NPO法人健康経営研究会」の登録商標

主唱/山陰中央新報社、全国健康保険協会島根支部

特別協賛/アクサ生命保険

後援/島根県、島根県健康福祉部、島根県商工労働部、島根県商工会議所連合会、島根県商工会連合会、島根県中小企業団体中央会、島根経済同友会、島根県経営者協会、島根県医師会、島根県社会保険協会、島根県社会保険労務士会、島根労働局

企画・制作/山陰中央新報社ビジネスプロデュース局