生涯を通じた健康で質の高い生活を送るためには、正しい生活習慣を身につけ、日ごろから生活習慣病予防に務めることが大切です。これまでの健康管理は、自分自身で食生活や運動習慣、休養に気を配るなど、個人に対する取り組みが中心でした。しかし、生活習慣病予防の増加・若年化やメンタルヘルスの問題など、個人への対策だけでは解決出来ない課題も多く、企業や地域社会全体で取り組む必要性が高まっています。
 いま、従業員の健康増進を図ることで生産性や企業カチを高める「健康経営」という考え方が全国的に注目を集めています。そこで、山陰中央新報社では、島根県や全国健康保険協会島根支部、県商工会議所連合会などの関係団体と協力し、「健康経営推進で健康長寿日本一へ しまね健康づくりキャンペーン」を展開します。

県内企業の取り組み紹介

従業員の健康を企業の経営資源と捉え、健康増進を図る「健康経営」の考え方が島根県内に広がってきています。平成28年から全国健康保険協会島根支部が中心となり、島根県・山陰中央新報社とともに健康経営に取り組む企業を増やしていくため、「ヘルス・マネジメント認定制度」を展開しています。
令和元年6月16日現在で、793事業所が同制度にエントリー(健康宣言)しており、そのうち116事業所が認定を受けています。
同制度で認定を受けた県内企業の取り組みを紹介します。

株式会社 彩雲堂

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・35歳以上で生活習慣病予防健診を利用
  • ・メンタルヘルスに関するセミナーの受講
  • ・熱中症対策のため、工場に経口補水液を常備
  • ・メール配信により運動の実施を呼びかけ
  • ・ストレスチェックの実施
  • ・業務効率化により残業時間を短縮
  • ・従業員のワークライフバランスを実践
  • ・建物内禁煙、喫煙所を建物外に設置
  • ・メンタルヘルス相談窓口の開設

●企業経営者の思い

 経営理念のひとつに「社員の物心両面の豊かさを追求する」を掲げ、従業員の経済的な満足と身体・精神的な充実を目指しています。これまでに育児・介護休業制度の整備、業務効率化による残業時間の削減、有給休暇取得の推進などに取り組んでまいりました。
 会社を持続的に発展させるためには「社員の力」が不可欠であるという考えのもと、「この会社で長く働きたい」と思ってもらえるような労働環境の整備を心掛けております。「顧客満足(CS)」と「社員満足(ES)」の両方を向上させ、歴史ある松江の和菓子文化を守り、伝承しながら地域の皆様に親しまれる企業として発展していきたいと考えています。


株式会社 さんびる

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・生活習慣病予防健診を利用
  • ・保健指導や健康づくりの講習を実施
  • ・有志による卓球部、陸上部のほか、家族ボウリング大会を開催
  • ・休憩所に血圧計、体重計を設置
  • ・建物内禁煙、社員については喫煙禁止
  • ・毎朝の朝礼時にさんびる体操を実施
  • ・毎月発行する社内報に、健康に関する情報を掲載



●企業経営者の思い

 弊社は「モノ」を売る会社ではありません。すなわち様々なサービスを提供する社員が「商品」と考えています。そのような中で社員の健康づくりは非常に重要なものと捉えており、活動しています。
 健康福祉事業を展開させていただいていることもあり、健康づくりについての情報などを社内の専門家から随時提供できるという事も利点になっています。
 社員が明るく元気に活動することが、お客様へ120%のサービスを提供させていただくことに繋がりますので、今後も継続して活動していきたいと考えています。



株式会社 大島工務所

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・健診受診率100%
  • ・生活習慣病予防健診の受診
  • ・建設業協会が実施する集団健診を受診
  • ・健康経営セミナー、イクボス養成セミナーに参加
  • ・年に1回ミニ運動会、グラウンドゴルフ大会を開催
  • ・血圧測定器、体脂肪計、前屈測定器を設置し、測定
  • ・10時、15時に15分休憩を設けている
  • ・施設内禁煙、喫煙所設置。受動喫煙啓発ポスターの掲示
  • ・独自にストレスチェックを実施するほか、健康チェックシートを作成


●企業経営者の思い

 建設業を通じて、地域社会に貢献できる企業でありたいと願っております。そして、働く者が元気に楽しく物づくりに邁進できる職場づくりのためにも、従業員の健康増進が職場にとっても一番幸せな事であるという理念のもと、様々な取り組みを導入したいと考えております。
 ただ、人間、皆全て健康であるとは限りません。多様な人達にとっても、楽しく希望のある職場への変身を追求していきたいと思います。
 この先どう変化していくか分かりにくい社会環境のなかで、「体の健康」ばかりではなく、「心の健康」にも十分に配慮できる企業になるためにも、地味な活動ではありますが、一歩ずつ研さんを重ねていきたいと存じます。




健康経営とは

 健康経営とは、従業員を企業における「資産」と捉え、健康の維持・増進が将来的に企業の収益性を高める積極的な投資であるとの考えのもと、従業員の健康管理を経営的な視点から考え戦略的に取り組むこと。従業員の活力向上や生産性向上等の組織活性化をもたらし、結果的に業績向上などにつながると期待される。
 また、国民の生活の質の向上や国民医療費の適正化など、社会課題の解決に貢献するものであると考えられている。

●制度概要
(1)本制度は、「健康経営※」の普及・促進を目的として、全国健康保険協会島根支部(以下「協会けんぽ」という)、島根県及び山陰中央新報社の3者共同事業の一環として、また県内の各種経済団体、金融機関等と連携して実施する事業です。
(2)協会けんぽ加入事業所が、従業員の健康づくりへの支援等を継続的かつ積極的に取り組む旨の健康宣言を行い、認定手続きを経て認定事業所となった場合、認定証の交付及び表彰状を贈呈します。
(3)各種優遇制度が活用できます。
※「NPO法人健康経営研究会」の登録商標

主唱/山陰中央新報社、全国健康保険協会島根支部

特別協賛/アクサ生命保険

後援/島根県、島根県健康福祉部、島根県商工労働部、島根県商工会議所連合会、島根県商工会連合会、島根県中小企業団体中央会、島根経済同友会、島根県経営者協会、島根県医師会、島根県社会保険協会、島根県社会保険労務士会、島根労働局

企画・制作/山陰中央新報社ビジネスプロデュース局