県内企業の取り組み紹介
従業員の健康を企業の経営資源と捉え、健康増進を図る「健康経営」の考え方が全国的に広がっています。島根県では、昨年から全国健康保険協会島根支部が中心となり、島根県・山陰中央新報社とともに健康経営に取り組む企業を増やす取り組みとして「ヘルス・マネジメント認定制度」を展開しています。
今回の特集では、同制度にエントリーする県内企業の取り組みを紹介します。
ホシザキ(株)島根工場
●従業員の健康に対する取り組み
- ・健診受診率100%
- ・屋内全面禁煙
- ・週1回のノー残業デーの実施
- ・年次有給休暇取得促進(目標70%以上)、過去2年達成中
- ・毎日、始業時のラジオ体操の実施
- ・健康施設利用者への補助金
- ・雲南チャレンジデーの活用
- ・生活習慣病予防健診費用の全額会社負担
●企業経営者の思い
経営理念の一つに「仲良く楽しく」という行動規範があります。これは自らの責務を果たすと同時に仲良く楽しく業務を実現しようというものです。健康であるからこそ実現できることです。
また、「働きやすい職場環境の実現」も経営姿勢にありますが、政府が推進している女性が活躍できる職場環境づくりとも共通しています。
今回認定となった当社の取り組みの一つである健康診断受診率100%は、生活習慣病健診が有効な施策であり、今後も早帰り運動や有給休暇取得促進などの取り組みと合わせ「健康経営」の重要な柱と位置付け、推進していく考えです。その結果、社員の豊かな生活と同時に生産性や収益の向上へと繋がるよう仲良く楽しく取り組んでいきたいと考えます。
(株)長岡塗装店
●従業員の健康に対する取り組み
- ・健診受診率100%
- ・健診費用全額会社負担
- ・健診後の精密検査等に該当した者は、受診奨励し、受診結果も確認
- ・血圧計と個人ごとの測定記録表を設置、健康器具も打ち合わせ室に設置
- ・常務自らワークライフバランスに関する講演を全国で実施、社内でも実践
- ・メンタルヘルスについて、セルフチェックシートを独自に作成し、従業員に実施
- ・歯科治療(メンテナンス含む)を希望する全員が、30分単位で取得できる有給休暇を利用して通院
●企業経営者の思い
当社では、『社員の健康を願うことは、持続的な健全経営を考える上で最も大切である』という信念のもと、様々な配慮・取り組みを行っています。
健康で毎日ハツラツと働けることで、社員一人一人が充実した生活を送り、家族にも安心感を与えることができます。また、事故やケガの発生、病気による欠勤が減少し、社員の成長や生産性が高まる働き方にも繋がります。
当社は2009年から、70歳までの再雇用制度を導入していますので、今後は高齢社員への健康管理も重要になります。経営者のみならず、多様な社員同士もしっかりコミュニケーションを取り、ニーズを引き出し、新しい情報を取り入れ提供し、益々ヘルスマネジメントを経営向上に生かしていく時代であると考えております。
高橋建設(株)
●従業員の健康に対する取り組み
- ・健診受診率100%
- ・建物内禁煙(島根県から「空気のきれいな施設や乗り物登録証」の交付を受けている)
- ・フットサルチームの結成(会社からユニフォーム等の経費補助)
- ・ラジオ体操の実施
- ・メンタルヘルス等仕事以外のことも相談できる相談員を掲示により周知
- ・子どもの看護休暇について、最大6日、時間単位で取得可
●企業経営者の思い
会社で働く従業員のみんながいつも笑顔で元気に生き生きと働く姿を見て幸せな気持ちになる・・・それは、従業員の幸せを強く願う経営者であれば誰もが同じく持っている心情ではないでしょうか。その思いを大事にして、従業員が健康で働きやすい職場をつくっていくことこそが経営者の務めであると考えます。また同時に従業員の一人一人を自分の家族であると捉え、病気にならないためのアドバイスや、従業員が気楽に悩みを相談できる職場環境づくりを行っていくことも必要だと思っております。これらのことを実践することで将来、さらなる企業の発展や従業員の幸せに繋がっていくと信じています。
(株)バイタルリード
●従業員の健康に対する取り組み
- ・健診受診率100%
- ・社内SNSによる健康づくりの周知
- ・スポーツクラブの法人会員になっており、従業員は無料で利用可
- ・建物内禁煙
- ・管理職が率先して休みを取るように「管理職休暇」(年度内10日間連続休暇)を規定
- ・毎年度、家族も参加するバーベキュー大会を開催し、社員間の交流を促進
- ・事務室に血圧計、体重計を設置
●企業経営者の思い
経営理念で掲げている「元気で幸せな社会」をつくるためには、従業員自身が元気で幸せである必要があると考えています。従業員の健康を考える上では、健康診断の受診や体を動かすことへの支援は当然のこととして、楽しく生き生きと働ける環境づくりが最も重要だと思っています。その環境づくり自体も、会社からの押しつけではなく、委員会活動などを通じて従業員自らが考えて、作っていく仕組みで進めています。これからもできることから進化させていき、従業員やその家族も含めて、あらゆる面で健康な会社を創っていきたいと思っています。
健康経営とは
健康経営とは、従業員を企業における「資産」と捉え、健康の維持・増進が将来的に企業の収益性を高める積極的な投資であるとの考えのもと、従業員の健康管理を経営的な視点から考え戦略的に取り組むこと。従業員の活力向上や生産性向上等の組織活性化をもたらし、結果的に業績向上などにつながると期待される。
また、国民の生活の質の向上や国民医療費の適正化など、社会課題の解決に貢献するものであると考えられている。