生涯を通じた健康で質の高い生活を送るためには、正しい生活習慣を身につけ、日ごろから生活習慣病予防に務めることが大切です。これまでの健康管理は、自分自身で食生活や運動習慣、休養に気を配るなど、個人に対する取り組みが中心でした。しかし、生活習慣病予防の増加・若年化やメンタルヘルスの問題など、個人への対策だけでは解決出来ない課題も多く、企業や地域社会全体で取り組む必要性が高まっています。
 いま、従業員の健康増進を図ることで生産性や企業カチを高める「健康経営」という考え方が全国的に注目を集めています。そこで、山陰中央新報社では、島根県や全国健康保険協会島根支部、県商工会議所連合会などの関係団体と協力し、「健康経営推進で健康長寿日本一へ しまね健康づくりキャンペーン」を展開します。

県内企業の取り組み紹介

 従業員の健康を企業の経営資源と捉え、健康増進を図る「健康経営」の考え方が島根県内に広がってきています。平成28年から全国健康保険協会島根支部が中心となり、島根県・山陰中央新報社とともに健康経営に取り組む企業を増やしていくため、「ヘルス・マネジメント認定制度」を展開しています。
 平成30年5月1日時点で、432事業所が同制度にエントリー(健康宣言)しており、そのうち52事業所が認定を受けています。
 同制度で認定を受けた県内企業の取り組みを紹介します。

株式会社 大屋ハイテック

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・生活習慣病予防健診を100%受診
  • ・安全衛生に関する社外講習、健康経営セミナー、健康保険委員交流会へ積極的に参加
  • ・メンタルヘルス対策セミナー参加や、心と体の健康セルフチェックを全従業員に年1回実施
  • ・社員旅行など季節に応じたイベントを開催し、社員のリフレッシュを図っている
  • ・建物内での全面禁煙
  • ・保健指導員を会社に招き、年1回指導を実施
  • ・リフレッシュルームを設け、健康器具を設置
  • ・ワーク・ライフ・バランスを意識したセミナーへの社員の積極的な参加

●企業経営者の思い

 弊社は安心・安全で自己成長が実感できる企業風土を目指しています。そのためには社員一人一人が健康でないと組織力(チーム力)を発揮できないため、健康経営を意識した取り組みを展開しています。社内には社員が気軽に使用できる健康器具の設置や、自社独自の方針管理を構築し社員がモチベーションを高められる「観える化」を行い、社員が思いやりの気持ちを持ち、ストレスを感じず自発的にアクションできる社風を目指しています。顧客志向で社内外のコミュニケーションを密にすることにより、仕事のバランスを考え有給取得率も向上しています。地域社会に愛され、魅力ある会社を構築していきます。



株式会社 木村工務所

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・健診受診率100%
  • ・40歳以上全員が生活習慣病予防健診を受診
  • ・健康経営セミナーへの積極的な参加
  • ・朝礼時と現場でラジオ体操を実施、ボウリング大会などに参加
  • ・社員が運営する社内BBQ、忘年会・歓送会等、懇親会費用を会社負担で実施
  • ・昼休憩60分に加え、午前午後に各30分休憩あり
  • ・建物内での全面禁煙
  • ・年間休日の拡充(昨年度より会社指定休日を8日間拡充)
  • ・リフレッシュ休暇の付与(勤続5年ごと3日間連続休暇)
  • ・アニバーサリー休暇の付与(全社員対象/年1日付与)
  • ・熱中症、冬の寒さ対策:社員全員に空調服、防寒着の支給
  • ・資格取得会社全額負担(社員のやりたいというモチベーションを尊重)

●企業経営者の思い

「社員満足ないところに顧客満足なし」をスローガンに、社員の健康づくりと並行し、心身ともにリフレッシュし、仕事にまい進できるように休暇の拡充・福利厚生の充実等、会社として制度づくりに取り組んでいます。社員満足と顧客満足の両輪がうまく回ってこそ、社業の発展につながり、ひいては地域貢献や社会貢献につながります。社長をはじめ、非常に若い人財が多い会社ですので、社員同士の連帯感の醸成には、毎年恒例になりましたBBQ大会をはじめ、各種レクリエーションにも力を入れています。永く働きたい、家族・友人に働いている事を自慢できる、そんな心身ともに健康な会社を目指し、これからも取り組んでまいります。



公益財団法人 しまね海洋館

●従業員の健康に対する取り組み

  • ・健診受診率100%
  • ・35歳以上全員が生活習慣予防検診を利用
  • ・健康経営セミナー、健保委員交流会、社会保険委員等研修会などに積極的に参加
  • ・移動の際に原則階段を使用
  • ・ハラスメント委員を4人置き、相談窓口としている。担当者以外も社外研修会に参加
  • ・年4回リフレッシュ休暇
  • ・子供の看護休暇、中学入学まで産前産後休暇の有給扱い
  • ・建物内での全面禁煙
  • ・月2回外部カウンセラーによるカウンセリング実施
  • ・全スタッフを対象にハラスメントに関する一斉調査を実施


●企業経営者の思い

 しまね海洋館アクアスは昨年「ヘルスマネジメント認定事業所」として認定していただき、また幸運にも「健康づくり活動優良事業所会長賞」も受賞し、とてもうれしいのですが責任も痛感しております。スタッフが健康に仕事ができるために何をすればいいか、スタッフは何を望んでいるのかよく考え今後の活動を進めようと思っています。
 アクアススタッフは常日頃、飼育している生物の健康に気をつけていますが、そのスタッフ自身が不健康であってはいけないと思っています。スタッフも生物もみんなが健やかに暮らしていけるよう今後もサポートをしていけたらと思います。アクアスで働いていてよかったと思える職場に今後もしていきたいと思います。




健康経営とは

 健康経営とは、従業員を企業における「資産」と捉え、健康の維持・増進が将来的に企業の収益性を高める積極的な投資であるとの考えのもと、従業員の健康管理を経営的な視点から考え戦略的に取り組むこと。従業員の活力向上や生産性向上等の組織活性化をもたらし、結果的に業績向上などにつながると期待される。
 また、国民の生活の質の向上や国民医療費の適正化など、社会課題の解決に貢献するものであると考えられている。

主唱/山陰中央新報社、全国健康保険協会島根支部

特別協賛/アクサ生命保険

後援/島根県、島根県健康福祉部、島根県商工労働部、島根県商工会議所連合会、島根県商工会連合会、島根県中小企業団体中央会、島根経済同友会、島根県経営者協会、島根県医師会、島根県社会保険協会、島根県社会保険労務士会、島根労働局

企画・制作/山陰中央新報社ビジネスプロデュース局